何でも言ってやろう

国や政治についてタブーなしに語っています。誰も見なくても、炎上しようとも。

ロシアのウクライナ侵攻と日本の戦争アレルギー①

戦車

※写真はイメージです


今回は「タブーなしで語ります。誰が見ずとも、炎上しようとも」というコンセプトに従って、日本のニュースや言論の空気は無視して、書くべきことを書きたいと思います。

 

ロシアがウクライナ侵攻を開始して以来、テレビでも、ネットでも、ロシアの極悪非道ぶりを批判する報道ばかり流れています。
欧米がロシアに対抗するために行った経済制裁を、もろ手を挙げて賛辞し、ロシア国内でも戦争に反対するデモが行わている情報に小躍りして喜んでいます。
また、プーチン大統領の発言を切り取って、頭のオカシイ人物としてイメージ像を作り上げようとしています。
日本は同調圧力が強いと言われていますが、日本のメディアも、一般人も「ロシアは悪だ、プーチンは残虐者だ」という空気一色に染まっています。

 

――まるで戦時中の軍国主義のようなプロパガンダに思えてしまうのは、私だけでしょうか?

 

戦争は悲惨なのは言わずもがなで、平和なのが一番よく、戦争は起きない方がよいに決まっています。
それは大前提の上で、戦争している両国の一方の意見だけで物事を考えるのは間違っているのではないでしょうか?

 

日本では、下記の発言はできないように言論統制が行われています。

 

「ロシアはロシアの立場があって戦争しているのではないか?
 先に戦争を仕掛けた方が、一方的にすべてが悪いというのは短絡的な見解ではないのか?」

 

歴史を振り返ると、ロシアの国の始まりは、ウクライナの首都の名前ともなっているキエフ公国が基礎となっています。

 

www.y-history.net


9世紀末から13世紀にかけて、キエフ公国が周辺諸公国に君臨したことにより、ロシア最初の統一封建国家となりました。
10世紀にはギリシア正教会を取り入れて、キリル文字を用いるようになりました。
ギリシア正教キリル文字は、いずれもロシア国家に引き継がれ、ロシア文化の基礎となっています。
かつてキエフ公国が治めていた場所は、ほとんどが現ウクライナであり、ロシアはウクライナから派生した国家と言えます。

 

ロシア人は、よくウクライナのことを兄弟だと発言していますが、このような歴史観から来ています。

 

日本の京都府が、キョートー国という独立国になりたいと言って、投票で決まってしまったら、どう思うでしょうか?
もちろん、戦争は仕掛けないまでも、個人的にはどうしても独立を受け入れることが難しいです。
キョートー国が中国語で書いて話すようになり、清水寺も、平等院鳳凰堂も、外国のものになってしまっては、
日本のアイデンティティが成り立たなくなってしまいます。

 

また、イギリスの特殊部隊SASは、戦争開始前からウクライナに部隊を派遣済みであったと言われています。
キョートー国に、中国の特殊部隊が展開されていたら、どうしますでしょうか?
戦争はしたくないですが、どうしてもキョートー国から中国軍を追い出すために、強硬手段に出るのも選択肢の一つとして挙がってきてしまうのではないでしょうか。

 

――国の起源の場所であれば、戦争を仕掛けてもよい?

 

そうは思いません。
他国には理解しがたい事情があり、すべてがロシアが悪いと断罪するのは良くないと言っています。
子供のケンカのように、ケンカ両成敗ではないですが、それぞれの国に立場や事情があり、それを確認した上ではないと、他国が断罪するのは難しいのではないでしょうか?

 

もし、国の起源の場所が戦争の理由にならないのであれば、イスラエルも批判するべきです。

 

第二次大戦後、ホロコーストという悲惨な経験をしたユダヤ人は、アラブ人が住んでいるパレスチナに押し掛けて、勝手にイスラエルという国を建国しました。
ヘブライ語聖書に書かれているカナンの地だったし、エルサレムには「嘆きの壁」と呼ばれる聖地があるから、行き場のないユダヤ人が住むのによいのではないかといった意見もあるかもしれません。
しかしながら、エルサレムにはムハンマドが昇天し、天界に旅立ったと言われる「岩のドーム」があり、イスラム教徒の聖地でもあります。

 

――ロシアとアメリカは何が違うのでしょうか?
私はロシアも、イスラエルも、悪い点があったと思っています。
すでに長く住んでいる人もいるので、イスラエルは解体までは要求しませんが、パレスチナとの共存共栄に最大限努力するべきではないでしょうか。

 

また、冷静に検討するために、ロシアのウクライナ侵攻と、アメリカのイラク戦争と比較してみましょう。

 

項目 ロシアのウクライナ侵攻 アメリカのイラク戦争
理由 ・兄弟国が違う文化に取り込まれようとしている
・「ドネツク民共和国」「ルガンスク人民共和国」を守らねばならない
地政学的にNATOとの緩衝国が必要
大量破壊兵器を持っているとウソの理由で侵攻
フセイン独裁政権で国民を弾圧
独裁国家が全て悪いわけではなく、アメリカによる解放後、政権が安定せず、内戦勃発
国際法 違反 違反
デモ ロシアのウラジオストクイルクーツク等でデモが発生し、2034人が拘束 アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、日本、東アジア、中近東で反戦デモが発生
デモの参加者数はニューヨーク35万人、サンフランシスコ25万人(ベトナム戦争時を上回る史上最大規模)
国内の志願兵 国を守ろうと志願兵が戦場へ 志願兵が数多く参加し、民兵組織を作って戦争に参加
武器 ウクライナアメリカが生物兵器の開発(ウソ) 大量破壊兵器保有(ウソ)
大統領 NATOに対する強硬姿勢を貫き、軍事侵攻も辞さない構え ブッシュ大統領を始め、政権幹部の多くが石油産業との密接な関係を持っている
ネオコンの強い影響力

 

ロシアのウクライナ侵攻と、アメリカのイラク戦争は何が違うのか判りません。
イラク戦争中、ニュースでも、ネットでも、一般人も、辛い状況に置かれたイラク人を支援しましたでしょうか?
私は両方の戦争とも、反対の立場ですが、短絡的にロシアが悪だという意見に染まった日本の空気が理解できません。

 

ロシアの立場を考える上で、 ウクライナ東部の「ドネツク民共和国」「ルガンスク人民共和国」の問題を考えなければなりません。

2013年、ウクライナ大統領ヤヌーコヴィチが、EU加盟を見送ったことにより、ユーロ・マイダン革命が発生し、大統領を追い出しました。
クリミア併合と同時期に、それに対抗するウクライナ国民の親露派のデモとして、ロシア系住民が多いウクライナ東部では独立を求める住民運動が発生しました。
ドネツク州では政府の建物を占拠した親露派勢力が「ドネツク民共和国」の建国を宣言し、翌月、ルガンスク州でも親露派勢力が「ルガンスク人民共和国」の独立を宣言しました。
内戦が続く状況の中で、ウクライナ、ロシア、ドネツク民共和国、ルガンスク人民共和国は和平に向けて、フランス・ドイツも協力し、2014年・2015年にミンスク合意に調印し、休戦に合意しています。
その後、ドネツク州及びルガンスク州自治を認め、地方分権化を約束していましたが、2021年にウクライナは、ドネツク州の都市近郊で分離独立派の武装組織を攻撃し、ロシアはミンスク合意に反していると非難し、ロシアのウクライナ侵攻のきっかけを作りました。

 

また、イラク戦争ではありませんが、これはアルカイーダから同時多発テロで攻撃されたとして、アメリカはアフガニスタン侵攻を開始しましたが、ウクライナの私兵集団アゾフからドネツク州を攻撃されたとして、ロシアがウクライナ侵攻を開始したことは似ていますね。

 

両国間の問題は非常にこじれており、どちらが正しい・悪いとは言えない状況で、仲裁するにも困難な難題が山積しています。

 

――日本には何ができるでしょうか?
NATOとは国際パートナーであり、ロシアとは隣国の日本は、両方の立場に立って、助言するべきではないでしょうか。

近代の戦争は悲惨で、すべての戦争がなくなることを願います。
私は専門家でもなく、勉強もまだまだですが、個人的な意見を述べさせていただきます。
この戦争を終わりにするためには、ミンスク合意を履行し、東ウクライナと西ウクライナで分割するしかないと思っています。
もちろん、ウクライナの西側の人々には、自国を守りたいという愛国心があると思いますが、ここまでこじれてしまうと、それが現実的な折衷案ではないでしょうか。

 

今回、日本の戦争アレルギーについては語れませんでした。
ロシアのウクライナ侵攻について、何回かに分けて語りますので、次回以降に説明できれば幸いです。

 

引き続きよろしくお願いします。