何でも言ってやろう

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ロシアのウクライナ侵攻と日本の戦争アレルギー②

戦車

※写真はイメージです


これまでもニュースやネットではウクライナでは徹底抗戦の為、ゲリラ戦を準備していると言われていましたが、恐らく、すでに各処でゲリラ戦が始まっているようです。
作戦として指示していないものも含まれるので、ゲリラ戦に始まるも何もないのですが、これは悲惨な戦争に突入する分岐点になるため、注視する必要があります。

 

戦後、戦争アレルギーと呼べるほど、軍事のことを語るだけで大騒ぎになる日本では、戦争の中にも、通常の戦争と、より悲惨な戦争があるということは理解できないと思いますが、今回、その点について検討したいと思います。

 

――ゲリラ戦とはどのような戦術でしょうか?

 

ゲリラ戦の概要を抜粋しておきます。

 

kotobank.jp

 

概要は上記の内容になりますが、ゲリラ戦には悲惨な現実があります。

 

例えば、人が戦車を止めるという戦術があります。
火炎瓶だけを持った民間人(場合によっては残兵)が、戦車に特攻し、戦車前面の光学機器を破壊して目潰ししてから、背面の換気口を破壊し、エンジンを止めるといった戦術になります。

 

――この戦術は日本の特攻隊を思い出すのは、私だけでしょうか?

 

国を守りたいと想いがあったとしても、自分が同じ立場になって、火炎瓶の数本とライターを持って、巨大な戦車に立ち向えと言われたら、恐怖を感じ、躊躇してしまいます。

 

また、成功確率がどれくらいなのかも気になります。

もちろん、人 vs 戦車なので、多くのケースでは作戦は失敗し、戦車にひき潰されたり、戦車の砲弾の餌食になってしまうでしょう。
日本の特攻隊のように、何人もの命を踏み台にすることで、やっと損害を与えることができるのではないでしょうか。

 

また、ひとたびゲリラ戦が始まると、今度は、相手は民間人を攻撃し始めるようになります。

ゲリラ戦が展開されたベトナムでは、普段着を着た民間人が近付いてきて、仲良く話した後、突然、隠していた武器によって、アメリカ兵を殺すこともありました。
また、アメリカ兵に好意的な村落で、休息を取って食事をしていたところ、裏でベトコンとつながっていて、一気にベトコンが押し掛けてアメリカ兵を倒すといったこともありました。

 

このような状況下、アメリカ兵はどう思ったのでしょうか?

 

――ベトナム人に対していつ騙されるのか疑心暗鬼になり、ベトナム人が全員ベトコンに見えるようになったのです。

 

アメリカは、ベトナムのいくつかの村をベトコンとつながっていると言い張り、民間人を殺戮し、村を焼き払いました。
戦地に行っていないアメリカ人は、人道的に戦争をするべきだと考えていた人もいると思いますが、戦地の兵士たちは、今にもベトナム人に騙されて殺されるかもしれないという恐怖にさいなまれ、少しでも怪しければ、自分や仲間が殺される前に、先制攻撃を仕掛けるべきだと考えるしかなかったのです。
アメリカはベトコン一掃の作戦だと言っていますが、実際にはベトナムで多くの民間人を殺害しました。

 

また、ベトナムでは20年もの間、戦争が続きましたが、ゲリラ戦は先に音を上げた方が負けるといった持久戦になります。
一方の政府や軍隊を撃破したとしても戦争は終わらず、軍人や民間人の協力者が地下に隠れて、散発的にヒット・エンド・ランを繰り返します。
ベトナム戦争5万8000人の犠牲者が出たと言われていますが、長期に及ぶ戦争では、その分犠牲者も多く出ることになります。

 

このようにゲリラ戦は、どちら側にも不幸な結果をもたらせます。
ゲリラ戦を行うことで、より悲惨な戦争に突入し、双方に多くの犠牲者を出します。

 

さて、現在、日本ではTwitterで「#橋下徹をテレビに出すな」で署名活動が行われています。

 

mobile.twitter.com

 

この署名活動の発端になったのは、ウクライナ人の国際政治学者グレンコ・アンドリーさんとの討論になります。

 

ウクライナの立場のアンドリーさん
ウクライナ人は国を守るために徹底抗戦に持ち込んで戦う」
との発言に対して、橋下徹さんは、
「ゼレンスキー大統領が18歳から60歳までの一般市民、戦闘員でない者の国外退去を認めないことに対して、逃げたい人はどんどん逃がしてあげた方がいい」
と発言して、激しい討論となりました。

 

戦争という悲惨な状況下に置かれたウクライナに対して、橋下徹さんがウクライナ人の愛国心を理解せずに偉そうな意見を述べたと、ネットで大騒ぎになっているようです。
日本の恥だと「#橋下徹をテレビに出すな」で署名活動が行われています。

 

前述の通り、ゼレンスキー大統領が想定しているのはゲリラ戦になります。
ロシア軍がキエフを陥落したとしても、戦争を継続し、18歳から60歳までの一般市民も参加させ、終わらない戦争を行おうとしているように見えます。

 

第二次大戦中にゲリラ戦を展開して、悲惨な状況に置かれた沖縄を、多くの方は忘れてしまったのでしょうか?
二度と同じ想いをする人がいないように、沖縄戦を経験した日本人が、より悲惨な戦争を避けてはどうかと、アドバイスしてもよいのではないでしょうか?

 

また、現在、ロシアは経済制裁に参加した日本を敵国とみなしていますが、ロシアとは隣国でありながら、平和条約を締結しておりません。
ロシアが北海道に進軍した場合、北海道から18歳から60歳までの日本の男性について、本州への移動を制限しますでしょうか?

 

ウクライナ人の「必ず国を守る」という愛国心は、気高く尊いものだと思います(勘違いのないように、ここを強調しておきます)。
また、ウクライナ人の問題なので、他国がとやかく言う問題ではないと思います。
日本の特攻隊の手紙を読んだときに、私は泣いてしまいましたが、同じような想いをウクライナ人にも感じます。
ただ、ゲリラ戦という悲惨な戦争を考えると、アドバイス程度はしてもいいのではないでしょうか?

 

#橋下徹をテレビに出すな」で署名活動を行うよりも、もっと他にやるべきことがあるような気がします。
戦争アレルギーで軍事のことをタブー扱いし、議論してこなかった日本人は、そもそも戦争について学ぶ必要があるように思われます。

 

戦争とは非常に難しい問題で、対立する意見があった場合に、どちらか一方が正しいとは言い切れません。
誰の発言が悪いとか、どこの大統領が悪いとか、短絡的に考えて解決できる問題ではありません。

 

もしそんなに簡単に解決できるなら、戦争なんかしていませんので!