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日本の給与はなぜ上がらないのか?②

お金

※写真はイメージです

前回に引き続いて「日本の給与はなぜ上がらないのか?」を考えていきたいと思います。

前回、「都市・大企業」「地方・中小零細企業」に分けて考える必要があることを説明しました。
今回は「都市・大企業」にスポットを当てて考えたいと思います。

 

■日本の「都市・大企業」の経営者が能力が低いのか?

 

経済学者やコメンテータの中には、日本の経営者の改革への対応の遅さや能力の低さなどを指摘する人がいます。

日本の「都市・大企業」は、サラリーマンから成り上がった経営者が多く、出世コースから外れないように失敗しなかった人が社長まで上り詰めるため、経営者になった後も事なかれ主義で、リスクを取った抜本的な改革ができないと言われています。

また、任期もあり、自らが代表取締役社長のポストに座っていられる年数も限られていることから、自分の担当中に問題を起こさず、次へバトンを渡すことを重視し、長期的な改革ができないと言われています。

 

私もサラリーマンなので、思い当たることが多々ありますので、総論としては大賛成しますが、各論としては誤っていると思われます。

 

日本の「都市・大企業」の経営者はそれなりに優秀であり、多くの経営者がDXや働き方改革などの必要性を感じ、経営理念として掲げ、会社を挙げて成長に取り組んでいます。
また、経営者が万能ではなくとも、大企業では優秀な部下も一定程度はいますので、ボトムアップでも改革を促進することができます。

また、実際の改革は、社長がトップダウンで決定すれば、会社が変わるわけではありません。
DXの失敗あるあるで、社長が「デジタルやAIを使って何かやれ」と指示し、形だけのPoCを行って失敗するケースがあります。
部長や課長といったミドルマネジメントがビジョンを打ち出し、優秀なリーダーや若手に企画の具体化を任せ、現場担当と協議し、業務プロセスやシステムを見直して、やっと改革が実現します。
社長が途中で変わろうが、実際には現場の社員が改革の成否を握っていますので、あまり関係ありません。

 

また、リスク面を気にして判断が遅いという指摘もありますが、改革にはお金も、人的リソースも投資する必要があり、失敗したら大損害を受けますので、経営者としては部下にリスクの説明を求め、時間を掛けてリスクと費用対効果を熟考しないと判断できません。

社長のポストは一時的なものだという制約もありますが、経営者に話を聞くと、足掛けだと思っている経営者は少なく、自社をより良く改革し、永遠に続く企業にしたいと願い、日々経営を行っています。

 

■日本の教育制度が悪いからカリスマ経営者が生まれない?

 

president.jp

上記のとおり、日本ではそれなりに優秀な経営者がいますが、世界トップのプロ経営者やカリスマ経営者と比べると見劣りするのは否めないでしょう。
日本の経営者は傾向として優等生タイプが多く、リスクを取った判断やドラスティックな改革ができません。
そもそも教育制度が悪く、スティーブ・ジョブズみたいなカリスマ経営者が生まれる土壌が、日本にはないと言われています。

 

一例に過ぎないので、スティーブ・ジョブズだけを取り上げても仕方ないですが、日本でスティーブ・ジョブズのようなカリスマ経営者が必要でしょうか。
スティーブ・ジョブズは下記のエピソードのとおり、異端児になります。

 

スティーブ・ジョブズのエピソード
 ・ヒッピー文化に心酔し、アタリ社や大学を長髪・裸足やサンダルで歩く
 ・風呂にあまり入らない
 ・菜食主義
 ・LSD愛用
 ・下らないプレゼン、反対意見を言う、週90時間働かない社員は、その場でクビ
 ・すい臓がんは手術せず、東洋医学代替医療で治療

 

スティーブ・ジョブズは本にも、映画にも取り上げられるような、世界的に有名な異端児になりますが、こんな人を教育で生み出せるでしょうか。
また、スティーブ・ジョブズは大学に半年間通いましたが、興味のない必修科目の勉強が嫌になって中退しています。 
教育でできることは限られており、ましてやカリスマを生む教育なんてありません。

 

■日本の「都市・大企業」の経営者は何も改革を行っていないのか?

 

「都市・大企業」の経営者は、歩みは遅いかもしれませんが、改革を行っています。

一例として「DX銘柄2021」「DX注目企業2021」を引用しておきましょう。
遅れていたと言われているDXも、少しずつ日本企業は取り組んで、結果を出しつつあります。

www.meti.go.jp

日本人には、日本人の長所があり、やると決まれば、真摯に改革に取り組みます。
リスクヘッジや改革への抵抗感などを解決する必要があり、実行までには時間はかかりますが、改革が始まれば少しずつ結果を出していくのが、日本人だと思います。
日本人には「がんばる」という努力の精神がありますので、その強みを生かして、会社を変えるべきではないでしょうか。

 

最近はシステム開発だけではなく、製品開発などでもアジャイル手法を活用するケースが増えています。
アジャイルで一番有名な開発手法はスクラムになりますが、スクラムトヨタウェイとトヨタ生産システムを参考に作られたフレームワークになります。
カイゼン(KAIZEN)という言葉も、海外で知られるようになりました。
日本にも、日本人が生み出した素晴らしい仕事のやり方がありますので、日本人らしく、がんばって良い仕事を行って、会社を変える方法もあると思われます。

 

今回は、根性論で終わってしまいました(笑)。

大企業には多面的な問題がありますので、引き続き「都市・大企業」の改革について検討していきたいと思います。

 

P.S.

アジャイルスクラム、PoCなどを詳しく解説せずにすみません(ググってください)。