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ChatGPTとは何か?③

デジタル

※写真はイメージです

 

自然言語AI「ChatGPT」について語りそびれてしまったことを語っておきたいと思います。
今回は、専門家の参考意見やエビデンスがなく、ブログらしく、私の感想です。
ひろゆき氏に「それってあなたの感想ですよね」と論破される内容ではありますが、個人的には重要なテーマかと思いますので、参考までにご覧頂ければ幸いです。

 

シンギュラリティの到来はあるのか?

前回のブログの通り、ChatGPTによりAIが民主化され、私たちの社会は、仕事も、芸術も、政治も含めて、変革を余儀なくされ、過去に自動車なしでは暮らせなくなったように、AIなしでの生活や仕事ができない時代が到来すると思われます。

 

このようなChatGPTなどのAIのハイスピードの進化により、シンギュラリティは訪れるのでしょうか?

 

その予測は専門家にお任せするとして、個人的には、そもそもシンギュラリティというと究極の知性のようなものを想像してしまいますが、シンギュラリティが何なのかの定義が曖昧のような気がします。
また、シンギュラリティにもいくつかの段階があるのではないか考えております。

 

さて、シンギュラリティとは「技術的特異点(Technological Singularity)」のことで、「AIの知性が地球上の全人類の知性を超える時点」の意味で使われています。
2045年ごろに、AIでありながら、まるで生きている人間のように自律的に思考や学習・判断・行動まで行え、人間の知識が及ばないほどに、優秀な知性(スーパーインテリジェンス)が誕生するのではないかと言われています。
シンギュラリティについて詳細は以下を参考にしてください。

 

monstar-lab.com

 

7年も前になりますが、2016年、人工知能「アルファ碁(AlphaGo)」が韓国の世界のトッププロのイ・セドル九段と対戦し、4勝1敗で勝ち越し話題を呼びましたが、その後も、囲碁AIの進化が止まらず、人間が勝てなくなりました。
アルファ碁は強化学習という技術を活用しており、AI同士で碁を戦わせ、勝った方に報酬を与えることで、より良い手で打てるように学習させています。
人間のような意思はありませんが、自分で学習し、どの手が最適なのか自分で判断して行動しています。
一般的に、アルファ碁はシンギュラリティの一種としては考えられていませんが、一部の分野に限ることで、AIが人類の脳を超えている現実があり、すでにシンギュラリティが始まっていると言うこともできるとは思います。
AIにより、こうした一分野におけるスーパーインテリジェンスが、多数の分野で誕生することにより、人間の知性が強みを発揮できる分野が限られていき、全体的なシンギュラリティに近付いていくという考え方もあるのかと思います。

 

また、これまでのブログで語りそびれてしまいましたが、ChatGPTはAGI(汎用人工知能)を目指して開発が進められています。
現在の多くのAIは、アルファ碁のように特定分野に特化して開発されていますが、AGI(Artificial General Intelligence)とは、人間のような汎用的なことに対応できるAIになります。
これまでのブログで説明した通り、ChatGPTは人間のようなコミュニケーションを行えるようにすることで、AGIを目指していると思われます。

 

また、ChatGPTはマルチモーダルAIへの対応も並行して進めています。
マルチモーダルとは「複数のモード(状態)」という意味で、テキスト・音声・画像・動画など、複数種類のデータを統合的に処理できるようにAIを改善することで、よりAGIに近付くのだと考えられます。
マルチモーダルに対応することで、AIが人間の五感と同じような能力を備えることができるようになることが革命的なのだと思われます。
現状は、大学生レベルの知能ではありますが、音声・画像・動画などへの対応が進めば、マイク(耳)とカメラ(目)を持つロボットを創ることで、アンドロイドの実現が見込めるように思われます。
AGIの実現はシンギュラリティが訪れる条件の一つと考えられますが、現在のChatGPTの進化のスピードを考えると、近い将来、実用可能なレベルのAGIの登場はあるのではないかと考えております。

 

近い将来、訪れるプレシンギュラリティ

 

シンギュラリティの前に、プレシンギュラリティが起きると考えている専門家もいます。
プレシンギュラリティーとは「社会的特異点」のことで、社会的なシステムが変化することを言います。

 

鉄腕アトムのような人型アンドロイドの実現には、マルチモーダル対応やハードウェアなど、技術的な課題が残っていますので、すぐに実現するとは思えませんが、先行してデジタル空間上のアンドロイドの活用が、世界中に広がると思われます。
これまでのブログで語った通り、すでにSiriのようなチャットボットの利用が広がっていますが、ChatGPT等の自然言語AIがアプリに組み込まれることで、より精度が高く、利便性が高い、デジタル空間上のアンドロイドが、私たちの生活や仕事をサポートするようになると考えられます。

デジタル空間上の秘書が仕事のドキュメント作成を手助けし、デジタル空間上のコンセルジュが医者や弁護士の代わりにアドバイスしてくれるようになると思われます。
生活や仕事の中にChatGPT等の自然言語AIが溶け込むことで、AI前提のハイスピード社会に変革され、「社会的特異点」が訪れることで、AIなしでは暮らせなくなる時代が到来すると考えられます。

 

www.nttcom.co.jp

 

専門家である齊藤元章氏に反論するわけではありませんが、上記記事は、AIによりユートピアが到来するかのように書かれていますが、個人的には、どうしてもディストピアを妄想してしまいます。

 

プレシンギュラリティーが訪れると、前回のブログでもお伝えした通り、ホワイトカラーの仕事がなくなると思われます。
10人で行っていた仕事を、3人でできるようになったら、後の7人はリストラされてしまいます。
そのため、まず個人レベルでは、一部の優秀な人材と、就職できない人の間で、経済格差が広がると思われます。
大企業の業務が試験研究、企画、AIの運用などの仕事に限られることで、高度な知識がないと仕事ができなくなり、能力や資格を有していない人は働けなくなります。
また、今のように就職一括採用で、未経験の学生を大量に採用し、簡単な仕事から任せて、数年掛けて人材を育てることが難しくなり、就職一括採用というシステムが破綻すると考えられます。

 

また、国家レベルでも同様の状況が起こるように思われます。
AIの特許を数多く有し、開発が先行しているアメリカ・中国などがAGIを占有して提供するようになると、AGI供給国家とAGI需要国家で経済格差が広がります。
また、AGIが社会の根幹システムとなると、AGIの供給を停止することで、その国の生活や仕事などを止めることができるようになり、石油・天然ガスなどのエネルギーの輸出と同様に、外交のカードとして利用できるようになります。
アメリカと中国という二大大国が世界を市場を独占することで、世界は二大派閥に別れて結集し、世界の分断をより深くするように思われます。

 

人類のAIへのアレルギー反応

 

現在、アメリカや中国などでも、AIを安全にコントロールできるようにするために、法律で規制することを検討しています。
個人的には、これはまだ序章に過ぎないと感じており、今後、政治とAIとの対立は深まり、政治家はAIの危険性を根掘り葉掘り洗い出し、法律による規制を強めると思われます。

 

現在、欧州では政治へのAI活用が検討されており、最たるものとしては、デンマークでは「人工党」というAIが政策を主導する政党が誕生し、2023年のデンマーク総選挙に立候補する意欲を示していると言われています。
現在、ChatGPTの知識は大学生レベルと言われていますが、今後、AGIの進化が進むと、政治家と討論した際、知識不足から政治家が敗北を喫するようになると思われます。
国民の間では政治家の一部を、AGIに入れ替える議論が始まり、政治家は自身の保身から、感情的にAGIの政治参加を批判するようになると思われます。
例えば、AIには感情がなく、弱者の気持ちが分からないから、AGIの政治参加に問題があるなど、政治家は非論理的な意見を振りかざし、AI排斥に動くと思われます。

 

また、戦争では人命が奪われたり、肉体や精神を病んでしまうことがありますので、健全な戦争を行うため、AGIを活用したアンドロイドが出兵されるようになると思います。
仕事を奪い、戦争で人を殺すアンドロイドは、イメージが悪くなり、人類の目の敵にされるように思います。
AIやアンドロイドに対するアレルギーが、人類に蔓延するように思います。

 

中国政府はChatGPTを警戒感を露にし、国民のChatGPTへのアクセスを遮断しました。
中国国内では天安門事件の情報を封印していますが、ChatGPTでは統制が効かないため、不都合な真実を提供するChatGPTの使用を禁止しています。
自国のバイドゥで「アーニー」という対話型AIを開発し、ChatGPTとは別に、中国共産党が統制可能な対話型AIを提供しようとしています。

 

アメリカを中心としてAGIの開発が進められていますが、ChatGPTに政治的な質問をした場合、アメリカらしく自由民主主義諸国の意見に偏ったリベラルな回答をするそうです。
ニューヨークの保守系シンクタンクであるマンハッタン政策研究所が、最近発表した論文において、「ChatGPTの回答はリベラルに偏り過ぎている」と主張しています。
AGIは平等なスーパーインテリジェンスを目指しているものの、各国の都合や思惑などにより、偏ったものになる可能性が高く、AGIが回答したことを水戸黄門の印籠のごとく振りかざすようになってしまうと、ミスリードを誘発するように思われます。
アメリカはネイティブ・アメリカン(インディアンは差別用語の可能あり)の伝統・文化を尊重するべきで、民間人を大量に殺戮した、焼夷弾による東京大空襲や広島・長崎への原子爆弾投下は批判されるべきで、ベトナムイラク戦争も批判されるべきものと思われますが、AGIはそのような回答はしてくれないでしょう。

 

また、現在でも、国家間で静かで目立たない戦争の1つとして、サイバー攻撃が行われていますが、それが加速するように思われます。
AGIを活用したシステムが生活・仕事・政治などの中心になった場合、セキュリティホールを攻撃し、AGIを停止させたり、誤動作させたりすることで、その国家に大きな打撃を与えることができるようになってしまいます。
原子力発電所はAGIは導入しないと思いますが、火力発電や自動運転車などをAGIでコントロールするようになると思われます。
AGIを誤動作させることで、火力発電所や自動運転車などの事故を起こされてしまうと、大災害になってしまいます。

 

こうしたディストピアがすべて必ず起きるとは断言できませんが、少なからず、これらは現実の問題として人類の前に立ちはだかると思われます。
このような壁に人類がぶつかったときには、人らしく不安感や恐怖などの感情を抱くと思われます。
その不安感や恐怖は、AGIに対するアレルギーとなり、反AGI思想が広がり、排斥運動が起こる可能性があるように思われます。
例えば、AGIによるアンドロイドが実現した場合、他人が見ている場合は紳士的に扱いますが、誰もいないところではアンドロイドを壊してストレス発散する人も出てくるように思います。

 

すでに現代でも、スローライフなどの思想がじわじわと広がっていますが、文明社会がAGIを活用した高度文明社会となった場合に、高度文明社会から距離を置き、自然とともに自給自足で生活する人たちが増えるように思います。
東出昌大氏などが食費ゼロ円生活を送っていますが、このような本来の人間らしさを探し求め、原始的な生活に回帰する人たちが増えるように思います。
AGIに負けてしまった人たちは、自信を喪失し、人とは何であるかを問うようになり、アイデンティティを求め、人間讃歌の思想にたどり着き、AGIを活用した効率的な高度文明社会のグループと、2つの分断された思想グループを形成するように思います。
この2つの思想グループのコンフリクトが、今後の世界の課題になるように思います。