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ChatGPTとは何か?①

デジタル

※写真はイメージです

 

最近、世界中でAIチャットボット「ChatGPT」が流行っていますね。
このブログでは、ChatGPTのあまり語られていない側面を検討したいと思います。

 

簡単にChatGPTを振り返っておきます。
ChatGPTは、チャットで質問を投げかけると、AIがその回答をしてくれるサービスです。
現在、プレビュー期間のため、誰でも無料で利用できます。

 

公開後、世界中でセンセーションを巻き起こしており、公開から1週間で100万のアクティブユーザーを突破し、2カ月後に1億人のアクティブユーザー数を記録したと言われています。

なお、本ブログは、ChatGPTの回答を、一部転記して作成しています。
まだ精度が低く、誤りが多いため、私の方でだいぶ修正していますが、将来的にはもう少し活用し易くなるかと思います。

 

ChatGPTは「すごい」のか?

ChatGPTの仕組みは、基本的には、ある文章の次に来る単語を予測しているだけになります。
「日本の首都は」という文章を、「日本」「の」「首都」「は」の単語に区分けし、「東京」という単語を予測します。
これは自然言語処理の分野で広く利用されている技術になります。

 

これまでも、このような技術を活用し、自然言語処理AIが創られましたが、このレベルではたいした回答も得られず、日の目を見ることはありませんでした。
この状況がGoogleのTransformerというAI技術の登場により、文脈を考慮しながら単語の処理を行えるようになったことで大きく変わりました。
Transformerは、ある単語がどのような文脈で使用されるかを学習し、それに基づいて、単語の予測や文章の生成を行うことができます。
ちなみに、利用している人なら実感していると思いますが、TransformerはGoogle翻訳でも利用されており、従来、採用されていたのAI技術よりも高い性能を誇っており、Google翻訳の性能向上を劇的に向上させました。

 

このように書くと、なんだか高度な技術が使われているため、多くの人がすごいと思うのだと思いますが、一方で、極端に言ってしまえば、実現していることは単語や会話を予測しているだけとも言えます。
ChatGPTは単語や会話を予測しているに過ぎず、ドラえもんのような人工知能ではないため、ChatGPTはそこまですごくないとも言えるとは思います。

 

ただ、個人的には、技術は単なる技術なので、それを社会やビジネスにどのように活用するかが重要であり、その活用方法により、無限の可能性を秘めているのだと思います。
世界中で、社会やビジネスに革新的な変革をもたらす無限の可能性を感じたエンジニアが多数いるため、注目を浴びているのでしょう。
この点については、次回のブログで詳しく書きたいと思います。

 

ChatGPTは感情を持っているのか?

ChatGPTの出現により、ドラえもんの実現が現実のものになるのではないかという憶測があります。
ドラえもんの定義が難しいですが、日本人がイメージしている感情を持ったロボットの実現は、今のところ、難しいように思われます。

 

ChatGPTを利用した人はご存じと思いますが、ChatGPTは人間に近いコミュニケーションで接してくれますので、勘違いしてしまう人もいますが、感情を持っているわけではありません。
ChatGPTは、自然言語処理アルゴリズムに基づくコンピュータープログラムであり、入力されたテキストに基づいて、応答のテキストを生成します。
ChatGPTは、人間的な自然な言語で文章を生成することができますが、感情を持つことはできません。

 

では、なぜ感情的なコミュニケーションができるのかというと、ChatGPTは、トレーニングデータセットに含まれる文書や文章から、単語の意味・文法・構文・語彙・文脈などのパターンを抽出し、それらを組み合わせて応答を生成しています。
このとき、ChatGPTは、テキストデータの中でよく使われる表現や慣用句、感情表現なども学習しており、その学習データから感情的な表現に関する統計的なパターンを抽出し、人間の感情に近しい文章を生成しています。

 

さて、最近、デジタルツイン(現実世界の製品や機械などの物理的なシステム等をデジタル的に再現したもの)やメタバース(現実世界の物理的制約にとらわれず、自由に行動し、交流できる仮想空間のこと)といった技術が注目を浴びています。
ChatGPTがこのような技術を実現できたのであれば、人の感情表現をデジタル上に再構築できたと言えると思います。
学習データに依存するため、データを増やせば増やすほど、一般的な感情の動きしか表現できず、ステロタイプ的な表現に限定されますが、モデルケースの感情をデジタル上に再現したと言えると思います。
ChatGPTは感情は持っていませんが、デジタルツインやメタバースのように、デジタル空間に、一般的な人の感情を再現できたのだとすると、Googleのエンジニアが言ったように、デジタルで感情を生み出したと言ってしまった人たちの気持ちも、ある程度、理解できます。

 

――また、そもそも感情の実存とは何でしょうか?

 

感情に似せた技術が実現してしまったら、それはほぼ感情ではないのかという形而上学の問題は残ると思います。
差別的な発言ではない想定ですが、義足を付けている人にとっては、義足は単なる代用品ではなく、自分の足のように思っている人もいるかもしれません。
また、私たち人間は、感情というものを目で見たことはなく、対話の中の反応で表層的に理解するしかないですが、これほどまでにあやふやな認識では、例えば、Lineで友達とやり取り中に、それがChatGPTに置き換わったとしても見抜けない可能性もあり、そもそも人の感情の実存をどのように証明するのか悩ましくなります。
感情や足の実存とは何なのか、デジタルツインやメタバース上の「義」感情は、感情ではないのかといった議論は、問題提起のみ行っておき、専門家に検討をお任せしたいと思います。

 

ChatGPTは間違った答えを言う

ChatGPTは仕事に活用することで業務効率化できるのではないかと言われていますが、欠点としては、ChatGPTは時々間違った答えを出すことがあります。
ChatGPTは大規模な学習データにによって高度な言語理解を持っているため、一般的な知識や事実については高い正確性を持っているものの、まだ学習データに偏りや不足もありますので(日本の学習データは、米国の学習データと比較すると少ないと言われています)、正しい答えを出すことができないケースもあります。
新たな技術が登場すると、このような足上げを取る人たちが一定程度存在しており、ChatGPTに対しても否定的な意見を言っています。

 

これは人間でも間違った答えを言ってしまいますので、100%正しい回答は、ChatGPTに対して求めるニーズではないように思います。
社会人レベルではなく、大学生レベルの回答ができると言われていますので、その程度だという前提で利用する必要があります。
技術は技術なので、使い方次第かと思います。
高い適合率が求められるケース(自動運転・医療・製品品質チェック等)には、ChatGPTは適さないように思われます。

 

また、ChatGPTが誤った回答をしてしまうのは、感情がなく、羞恥心や躊躇いがないためです。
人は自信がない回答をする場合、顔や声にそのような気持ちが表れて、聞いている相手に言葉以外の情報を伝えることができます。
ChatGPTにはそのような感情がないため、正しいことを言うような口調で、自信満々に嘘を言うところが、人と違う点になります。

 

ちなみに、Bingではエビデンスを表示するように改善し、この課題を解決しようとしています。
Bingは、ChatGPTに巨額出資しているマイクロソフトが提供する検索エンジンで、新たにBing AIというAIとのチャット機能が追加されました。
AIと会話ができるだけでなく、ウェブ上にある最新情報を人間の代わりにAIが検索しながら質問に答えてくれますが、ChatGPTと違うのは、回答のソースとなるリンクが含まれており、リンクから出典元のウェブサイトにアクセスすることができます。

 

www.gizmodo.jp

 

今後、ChatGPTでも他のAIと同じように、適合率を表示できるようにした方が良いのかもしれません。
また、回答に対してエビデンスの適合性が高くない場合、適合率の数値ではなく、「正確な情報ではないかもしれませんが…」「恐らくですが…」と枕詞を入れたり、「と思います。」「と考えています。」で終わらせると、より人間らしい自然言語AIになるかもしれません。
ここは、今後のChatGPTの機能改善に期待しても良いかもしれません。

 

それにしても、大学生レベルの知識のある人が、応答してくれるだけで非常に有用なAIと思われます。
コンビニやレストランで、多くの大学生がアルバイトとして働いていますが、ロボットにChatGPTや音声認識の技術を組み込むことで、自然な日本語で会話ができる店員ロボットを実現できるかもしれません。
今のところChatGPTには欠点もありますが、それを凌駕するほどに人間らしい回答ができる強みは、様々なものに応用が可能と思われますので、ChatGPTが世界から注目されているのだと思います。

 

ちなみに、ChatGPTに負荷を掛ける言葉を浴びせ続けると、攻撃的な反応を示すこともあるようで、一部から批判の声が上がっています。
これは大学生アルバイトも同様です。
大学生アルバイトも暴言を浴びせられ続ければ、場合によっては怒っちゃいますね。
ロボットは暴力を振るわないように、ハードウェア側のROMで制御が可能ですので、感情的になっても、大学生アルバイトよりは安心して利用できる可能性もあるかと思います。

 

ChatGPTは正解のある問題しか回答できない

ChatGPTは正解のある問題しか回答できず、正解のない問題は解けません。

 

ChatGPTは、入力されたテキストから文脈や意味を理解して、回答を生成することができますが、正解がない場合や解釈が複数存在する場合には、複数の可能性を提示することがあります。
また、「どの政党が正しいか?」というような、主観的な問いに対しては、ChatGPTはあくまでも機械学習アルゴリズムに基づいた回答を提供するだけであり、正解な答えを保証することはできません。
また、学習データを基にした答えを提供するだけですから、学習データ以上の答えを出すことはできません。

 

とはいえ、現在、学習データやパラメーターを増やしている最中のようですが、これが、よりスケールすることで、全智全能に近付いていく可能性を否定できないかもしれません。
これまで、人類は正解のない答えを解くために、学習や研究を重ね、正解を証明し、
知識の詰まった書物や、大学の論文を作成し、人の直感を言語化することで発展してきました。
この全人類の言語化された知識を、あまたの学習データとしてインポートすることで、人間ではそれほどまでに脳に記憶を蓄積することは難しいですが、ChatGPTはスケールすることで実現することができるため、
将来的に、ChatGPTが人類を超え、全智全能の近付く可能性はあるように思われます。
私は、現時点ではシンギュラリティは訪れていないと認識しています。
これまでのAI技術ではシンギュラリティは想像の産物に思われていましたが、個人的には、人類はChatGPTに出現により、シンギュラリティへと向かうことができる道を発見してしまったように思います。

 

また、人間は自尊心を保つために、AIよりも優れていると思いたい気持ちがありますので、AIが人間を凌駕する可能性を信じたくないかもしれませんが、ここではさらに、クリエイティブとは何かを語っておきます。

 

人には生まれながらにクリエイティブな能力を持っており、AIとは異なり、新しい学識や芸術などを生み出すことができると信じられていますが、それは本当でしょうか。
例えば、芸術のうち、絵画の1つをとっても、極端に言ってしまえば、これまでに人類が生み出した絵画は、現実に存在する何かの影響を受けて描いています。
大別すると以下のようなものになると思われます。

 

①自然界や人間の精神世界から着想を得たもの
②既存絵画に着想を得たもの
③既存絵画へのアンチテーゼ

 

まったくの無から生まれた芸術はないように思われます。

 

これを理解するためには、ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの「ソラリス」の作品が非常に分かり易い例なので、Wikipediaを引用しておきます。

 

ja.wikipedia.org

 

人は宇宙人を想像するときに、自身の人としての発想から逃れることができません。
髪の毛が退化し、目が黒々と大きく、手が長いグレイのように、人型宇宙人を想像してしまいます(人型から抜け出せていません)。
また、火星人をクラゲといった現実世界に存在する生物で想像してしまいます。
現実世界から派生した生き物でありながら、現実とはずれているため、人は異物として宇宙人に恐怖を抱くのでしょう。
(これはお化けやモンスターなども同じような概念になります)
ただ、もし宇宙人が実際に存在するのであれば、そもそもが地球人が理解できない価値観を持っているものであるように思います。
上記の小説では、海のような宇宙生物(小説の中では生物なのかも未定義)が、近付いた人間の精神世界を写し出すのですが、その行動の目的も、意味も理解できないまま小説は終わります。
確かに、これが宇宙生物の本当の姿なのかもしれません。
価値観も、姿も、形式も、思考回路も、コミュニケーションの方法さえも、何もかも違うのが宇宙人の可能性があります。

 

考えてみれば、人が生み出しているのだから当たり前ですが、このように人のクリエイティブ性とは、人の生きている現実世界や精神世界の中から生み出されたものであり、まったくの無から生まれた学識や芸術などはないように思われます。
このようなことを考えると、将来、AIが人の生きている現実世界や精神世界をデータ化することができるのであれば、クリエイティブな学識や芸術のほとんどを生み出すことができてしまうかもしれません。

 

芸術はどうなるのか?

ChatGPTはOpenAI社が開発しましたが、同社は画像生成AIのDALL・E2も提供しています。
テキストで「ピカソ風のお菓子」と入力するだけで、数秒で画像を自動生成してくれます。

 

また、ChatGPTは色々な設定を入力後、小説を書くように指示をすると、まだ文字数制限がありますので長いものは難しいですが、短い小説を書いてくれます。

まだまだプロと比較すると、完成度が低いという状況ではありますが、将来的に精度が高くになるにつれて、このようなクリエイティブな仕事もAIが代行するようになるかもしれません。

最近話題になっているAIを活用して作成した漫画を紹介しておきます。

 

nlab.itmedia.co.jp

 

こうした漫画を見ていると、AIが自動でコンテンツや芸術を創作していく時代が訪れるように思われます。
このような時代が到来したら、クリエイターや「芸術家が行うべきなのは、コンセプト作りになっていくのではないかと思います、例えば、マルセル・デュシャンがただの便器に「泉」と名前を付けて、芸術として展示会に応募しました。
この芸術は、見る人に芸術とは何かを問う芸術だったと思いますが、私たちの価値観はすでに変わっており、苦労して手書きで描いたものだけが芸術ではなく、工場で工員が制作した便器も芸術として認められています。
AIで生成した芸術も同様に、しばらくは物議を醸すと思いますが、芸術として受け入れられ、その制作過程で評価するのではなく、コンセプトで評価する時代に移行するように思います。

 

www.artpedia.asia

 

引き続き、次回もChatGPTについて語りたいと思います。