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日本の給与はなぜ上がらないのか?⑤

お金

※写真はイメージです

以前に、日本の給与はなぜ上がらないのかを検討する場合、「都市・大中企業」と「地方・中小零細企業」に分けて考える必要があると説明しました。

 

この都市と地方の問題で重要な点は、東京一極集中と考えられます。
「地方・中小零細企業」の個別のテーマを検討する前に、東京一極集中を検討したいと思います。

 

■東京一極集中

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東京都を中心とした1都3県(神奈川県・埼玉県・千葉県)の人口は、おおよそ2,500万人であり、日本全体の20%が東京近郊で生活しています。
東京の一極集中は、世界の都市を見回しても、特異な状況と言われています。
韓国のソウルも同じ状況と言われていますが、それでも都市と地方の偏りは日本以下と言われています。

 

もちろん、東京は便利で、何でも手に入り、また、たくさんの求人があります。
日本食だけではなく、世界中から食が集まり、アミューズメントやイベントなども、東京中心で催されているものが多いです。
東京ディズニーランドは住所は東京ではありませんが、1都3県にあります(笑)。

 

東京に仕事や友人があり、生活基盤ができてしまっていますので、地方に引っ越して新たな生活を開始することは難しいですが、東京で暮らしていて幸せでしょうか?
東京暮らしは下記の課題があります。

 

■東京暮らし
 ・人や車が多過ぎて移動や用事に時間が掛かる
  朝夕の通勤・通学ラッシュがひどく、ストレスが溜まる
 ・生活費が高いから、それなりの給与を得ても、生活が豊かにならない
 ・住宅が高く、家賃で生活費が高くなり、住宅ローンの支払いで首が回らない
  また、高価な住宅を得ても、マンションで土地が財産にならなかったり
  住宅が狭く、部屋数が少なかったり、駐車スペースや庭がないこともある
  マンション暮らしが多く、家で子供が走り回れず、楽器を演奏できない
 ・ちょっと遊ぶにもお金が掛かる
  近くに広い公園がなく、車や自転車で移動する必要がある

  公園や友人宅への訪問でも駐車料金が掛かる
 ・親戚や家族が地方で暮らしているため、一人暮らしが多く、孤独を感じる
  都会は結婚が遅いことも、一人暮らしを助長している
  コンビニ食やチェーン店で食事を取る人が多い
 ・ゴルフ場、釣り場、キャンプ場などが遠い

 

2019年の東京の平均年収620万円であり、全国平均500万円を120万円近くも上回っています。
東京暮らしは多くの求人もあり、それなりの収入を得ることができますが、生活実感として豊かさを感じることは少ないと思われます。
東京一極収集により住宅ローンの支払いに追われて、サラリーマン人生が終わり、豊かな生活を送れないのだと思われます。

 

余談ですが、アメリカのシリコンバレーも生活費が高いと言われています。
シリコンバレーの平均給与は約1,300万円だで、日本人はGAFAのようにイノベーションを起こして給与を上げるべきと言われています。
しかしながら、平均家賃は15~20万円で東京の二倍であり、平均給与をもらっていても家賃を払えずに、車で生活する人もいるようです。
シャワーや食事提供を行っているIT企業も多いため、寝るだけであれば、車で済ませる人もいるようです。
こうした状況から、会社と安い住宅地(片道1~2時間)の間で、専用のシャトルバスを運営しているIT企業もあるようです。

東京だけではなく、世界のどこでも一極集中は弊害を生んでいると思います。

 

新型コロナにより、リモートワークが加速し、出社する必要がなくなり、都内に住宅を持つステイタスが下がり、地方で自然に恵まれた豊かな生活を希望する人が増えているようです。
日本では給与が上がらず、豊かな生活ができないと言われていますが、それほど多くの収入がなくとも、幸せな生活が送れるようにすることも重要かと思います。
長期的な改善が必要になりますが、東京一極集中から脱却し、自然豊かな地方へのシフトが必要と思われます。


また、日本でそれなりの給与をもらっても、豊かな生活ができないのは、専業主婦が多く、世帯年収が低いことも要因の1つと考えられます。
フランスやデンマークなどでは共働きが多いと言われています。
最近は日本でもパワーカップルという言葉も生まれていますが、夫婦二人で働く世帯を増やして、世帯年収を向上させる必要があるようにも思われます。

 

■日本は専業主婦が多い

すももさんが個人ながら素晴らしい研究をしていますので、ブログを引用させて頂きます。

 

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日本と海外の感覚のずれで驚くべき点としては、海外では専業主婦への評価が低く、OECDの統計ではニート扱いとされています。
また、日本では主婦として家事をすることも、働いて収入を得ることも、同様に重要な仕事だと考えますが、海外では明らかに家事を下に見ています。
社会の中に、共働きを選択せざるを得ない雰囲気があり、自尊心の維持のため、夫婦で社会に働きに出るのだと思われます。

 

また、日本で共働きが進まない問題として、男性社員の残業が多いため、家事への参加時間が少なく、「同一労働同一賃金」ではないから時短や派遣労働が評価されていないためだと言われています。

 

それもあるかもしれませんが、個人的には日本の家事が品質が高すぎるからだとも考えています。
ある程度、家事の品質を下げ、かつ、共働き世帯は世帯収入にも余裕がありますので、効率的な方法を上手く活用して、仕事と家事の両立を図った方が良いと考えます。

 

■日本の家事

 

〇食事

海外では、特に朝食は、パンにハムを挟んだシンプルなサンドイッチや牛乳をかけるだけのシリアルなど、簡単な食事で済ませることが多いです。
昼食は外食で済ませ、再び夕食にはパン、ハム、チーズ、カットフルーツといった簡単な食事が並んだり、美味しいレトルトや冷凍食品を活用したりもします。
火を使った料理する場合でも、ミールキット(カット済み食材にソースが掛かっている)を焼くだけだったり、かたまり肉を焼き、サラダを盛り付けるだけだったりします。
また、日本でも増えてきていますが、野菜などの生鮮食品も、具が切られた状態で売られています。

 

ダシをカツオ節や煮干しから取って、一汁三菜を調理する日本食とは大違いです。
キャラ弁なども、やりすぎ家事は止めて、もう少し効率良く家事を行った方が良いと思われます。

 

〇スチームオーブン
スチームオーブンで肉、野菜、冷凍食品を焼くだけで、ヘルシーかつ美味しい料理が出来上がります。
通常の電子レンジよりも時間が掛かりますので、早めにスイッチを入れて、お風呂掃除や皿洗いなど、別の家事を行いましょう。
日本の狭いキッチンでは置くことが難しかったり、それなりの初期費用が掛かる課題もありますが、レンチンでおいしい料理ができるので、料理が得意ではない人には特にお薦めです。

 

なお、海外では住宅に備え付けのオーブンがあることが多いですね。

 

〇食器洗い乾燥機(食洗機)
海外の住宅では、鍋まで洗うことが可能な備え付けの大型の食洗機が付いていることが
多いです。
日本の狭いキッチンでは置くことが難しかったり、それなりの初期費用が掛かったり、余洗いが面倒だったりで、使わない家庭がまだ多いです。
余洗いはそれほど必要ではなく、家事時間の短縮につながりますので、ぜひとも奮発して使ってほしいです。

 

ECサイト・ネットスーパー
Amazonを中心にECでの買い物は普及しましたが、ネットスーパーは活用している人は1割程度で、まだまだ活用が進んでいないようです。
ネットスーパーは送料は高いですが、隙間時間に買い物ができ、家事を効率化することができます。
まとめ買いにより、送料が無料になるケースもありますので、上手く活用しましょう。

 

〇出前・テイクアウト
いまだに日本では抵抗感が強いですが、忙しい日は、出前やテイクアウトを活用しましょう。
Uber Eatsなどの出前は送料だけではなく、メニューも割増しになっているケースがあり、総額がかなり高くなることがありますが、控えめのお値段のゴーストレストランやテイクアウトを上手く活用しましょう。

 

アメリカドラマ「スーツ」を観ていたら、道端の露店で食べ歩きをしたり、箱入りの中華テイクアウトを食べていました。
さもしい場面ではありますが、忙しい人は食事も時短で取っているという例なのでしょう。

 

〇ロボット掃除機
広い床面積の住宅に住んでいる方は、ロボット掃除機が有効になります。
便利さは言わずもがなですが、ロボット掃除機は奮発して上位機種を購入することをお薦めします。
以下の機能があった方が良いです。

 ・マッピング機能(複数の部屋が掃除できない)
 ・カメラセンサー
 ・コード絡まり防止機能(からまって良く止まる)
 ・自動ゴミ収集
 ・パワーブースト(カーペットやラグ)
 ・段差対応

 

なお、日本と世界のロボット掃除機の普及率は、それほど差はなく、世界平均よりもやや低い程度と言われています。
海外はハウスキーパー(実際には掃除がメイン)の活用が多いと思われます。

 

〇ベビーシッター・家事代行サービス
イギリスではメイド文化があったため、アメリカやイギリスなどではハウスキーパーやベビーシッターの利用者が多いです。
また、南アジアの上流中産階級では、住み込みの家政婦を雇うのが一般的です。

 

日本ではこのような伝統がないため、ベビーシッターや家事代行サービスを頼むことについて、後ろめたさがあり、まだ敷居が高い状況があります。
時間をお金で買うために、日本でも気軽にベビーシッターや家事代行サービスを活用した方が良いと思います。
家事代行サービスで水回りの清掃を頼むときには、コーティングしてもらうことで、きれいな状態を保つことができ、カビ予防にもなり、しばらく掃除も楽になります。

 

〇洗濯
海外では乾燥している地域が多く、服やタオルを毎日洗わなくても、それほど不衛生ではなく、あまり匂いもしないと言われています。
また、洗濯物を外干しする文化がない国もありますので、全自動洗濯機で洗濯・乾燥を行うことが多いようです。
外に干す手間が省けるので、海外では家事の時間短縮につながっています。

 

〇子供の食事
女性に訊くと、母乳の方が楽だという意見もありますが、外出中や母乳があまり出ない人もいますので、液体ミルクの活用を促進するべきです。
ちなみに、人肌ではなく、常温でミルクを飲ませても、医学的には何も問題がありません。

 

離乳食は市販のベビーフードを活用しましょう。
プロの栄養管理士がレシピを作成しているので、栄養価が高く、バランスもよく、鉄や亜鉛が上手に取れるように対応しています。
自分で作る方が、夫婦の食事のために魚料理をした手で、子供の食材を触るなど、危険な行為をしてしまう可能性があります。

 

前述のとおり、日本の正規雇用の平均年収は500万円ですが、当該年収の専業主婦世帯では生活が苦しいと言われています。
私が意見することではありませんが、2019年度から保育園の無償化も始まっていますので、苦しい生活を抜け出す方法として、初期投資(時短家電など)は必要になりますが、後で働いて回収する前提で、家事を効率化し、空いた時間を活用して働きに出て、共働きにより世帯年収を増やすのはいかがでしょうか?

 

言いそびれたことを補足しますが、日本では、男性の家事負担率が低いと言われていますが、家事の総時間が多すぎるのも、その一因ではないでしょうか。
効率的な家事を行うことで、女性の家事時間を減らし、継続して男性の家事時間は減らさず、負担率を改善する方法もあるように思われます。


また、男性が、難しい日本料理などが作れなかったり、不器用で皿洗いに時間が掛かる事情もありますので、スチームオーブンによるレンチンでの料理を取り入れ、食洗器を活用することで、家事の難易度を下げ、男性の家事への参加を促すこともできるでしょう。

 

ちなみに、時短家電を導入して、夫がスイッチを押すだけだと、妻からは「スイッチ1つで家事を手伝っていると思わないで」と怒られます(笑)。

感情的にはどうであれ、夫婦の時間が浮けば、結果オーライでしょう。

 

最後に、「日本の給与はなぜ上がらないのか?」というテーマから「なぜ日本は生活が苦しいのか?」にテーマが変わってしまい、申し訳ございません。

次回は軌道修正したいと考えております。

 

■追伸

それほど給与が高くない方が、民間の医療保険に加入することはお薦めしません。

高額医療費制度がありますので、平均年収の程度の方は、30万円の自己負担(100万円の医療で3割負担)をしたとしても、212,570円がキャッシュバックされます。
また、詳しくは解説しませんが、医療保険は経済合理性がありません。

 

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もちろん、高所得者が税金対策で医療保険に入ることは意味があります。
家計を圧迫しないためにも、無駄な保険には入らない方が良いと思われます。

 

なお、医療保険は先進医療が高額であることを宣伝の1つとしていますが、先進医療を受ける確率は0.02%(1万人に2人)になりますので、無駄金以外の何物でもないでしょう。

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